「お口の中で毎日ありごとう!」知られざる唾液の機能と、健康
- 2月6日
- 読了時間: 7分
こんにちは。歯科ミントクリニック院長の竹島健太郎です。
普段、皆さんは「唾液(つば)」について意識したことはありますか? おそらく、食事をしている時や、喉が渇いた時にふと感じる程度ではないでしょうか。
しかし、私たち歯科医師の視点から見ると、唾液は「天然の万能薬」であり、お口と全身の健康を守る「最強の守護神」です。実は私はいつも唾液に感謝しながら日々過ごしているのです。
今日は、知っているようで知らないあなたのお口にいつもある「唾液のちから」について、徹底的に深掘りしていきたいと思います。この記事を読み終える頃には、あなたも自分の唾液が愛おしくてたまらなくなるはずです。

1. 唾液はただの「水」ではない!驚きの多機能性
成人の方は、1日にどれくらいの唾液を出していると思いますか? 正解は、なんと1.5リットル前後。大きなペットボトル1本分もの量が、毎日お口の中で作られ、循環しています。
この「黄金の液体」には、お口の健康を保つための驚くべき機能が備わっています。代表的なものを挙げてみましょう。
① 消化を助ける「アミラーゼ」の働き
一番有名な機能ですね。唾液に含まれる酵素「アミラーゼ」が、食べ物に含まれるデンプンを分解し、糖に変えます。よく噛むと甘みを感じるのは、唾液がしっかり働いている証拠です。胃腸への負担を減らす「最初の消化器官」としての役割を担っています。
② 自浄作用:天然の「全自動洗浄機」
食事をした後、お口の中に残った食べかすを洗い流してくれるのが唾液です。もし唾液がなければ、食べかすは常に歯にへばりつき、あっという間に細菌の温床になってしまいます。
③ 殺菌・抗菌作用:病原菌との最前線
お口の中には数百種類もの細菌が住んでいますが、唾液に含まれる「リゾチーム」や「ラクトフェリン」といった成分が、悪い菌の増殖を抑えてくれます。風邪やインフルエンザなどの感染症予防にも、実は唾液の質が大きく関わっています。
④ 再石灰化作用:歯を「修復」する魔法
食事をするたびに、歯の表面からはミネラルが溶け出しています(脱灰)。それを補い、歯の表面を再び硬く修復してくれるのが唾液に含まれるカルシウムやリンです。「初期虫歯なら唾液で治る」と言われるのは、この再石灰化パワーのおかげなのです。
⑤ 緩衝(かんしょう)作用:お口の酸性度をリセット
虫歯菌が作り出す酸によって、お口の中が酸性に傾くと歯が溶け始めます。唾液には、この酸性を中和して中性に戻す能力があります。
⑥ 潤滑・保護作用:おしゃべりと飲み込みのサポーター
お口の中の粘膜を潤し、傷つかないように保護します。また、食べ物を飲み込みやすい塊(食塊)にしたり、スムーズな発声を助けたりするのも唾液の重要な任務です。
いやはや。唾液って私たちの知らないところでたくさんのお仕事をしてくれていますねー。本当に感謝です。

2. もし唾液が少なくなったら?『ドライマウス』が及ぼす影響
もし、この万能薬である唾液が枯渇してしまったら……。お口の中は一気にパニック状態に陥ります。これを「ドライマウス(口腔乾燥症)」と呼びますが、その影響は想像以上に深刻です。
虫歯・歯周病の激増: 洗浄・殺菌・再石灰化が止まるため、一気に病気が進行します。
口臭: 細菌が爆発的に増え、食べかすが腐敗することで、自分でも気づかないうちに強い口臭が発生します。
味がわからなくなる: 味覚を感じる「味蕾(みらい)」は、唾液に溶け込んだ物質に反応します。乾燥すると、味が鈍くなってしまいます。
美味しく食べられない、話しにくい: パンや乾いたものが飲み込めず、お喋りをするだけで口の端が切れたり、舌が痛んだりします。
誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)のリスク: 特に高齢の方の場合、唾液の減少は飲み込む力の低下を招き、命に関わる肺炎のリスクを高めてしまいます。
3.唾液量が減る原因
「最近、口が乾くのは年のせいかな?」と思われがちですが、実は原因はそれだけではありません。現代社会ならではの要因が複雑に絡み合っています。
① お薬の副作用(意外と多い原因です)
実は、これが最も多い原因の一つです。
降圧剤(血圧の薬)
抗うつ薬や精神安定剤
抗ヒスタミン薬(花粉症やアレルギーの薬)
利尿剤
これらのお薬を服用していると、副作用として唾液の分泌が抑えられることがあります。「病気を治すための薬」が、お口の健康を脅かしているケースは少なくありません。もし心当たりがある方は、ぜひ教えてくださいね。
② ストレスと自律神経の乱れ
唾液は自律神経(交感神経と副交感神経)によってコントロールされています。
リラックスしている時: サラサラした良い唾液が出る。
緊張・ストレスがある時: ネバネバした唾液に変わる、または分泌が止まる。
「人前で話す時に口がカラカラになる」のはこのためです。現代のストレス社会では、常に交感神経が優位になり、お口が乾きがちになります。
③ 「口呼吸(くちこきゅう)」の習慣
鼻ではなく口で息をしていませんか? 口呼吸をすると、せっかく出た唾液がどんどん蒸発してしまいます。特にお子様や、寝ている間に口が開いてしまう方は、朝起きた時に口がカラカラになり、細菌が繁殖しやすい状態になってしまいます。
④ 筋力の低下(噛む力の衰え)
唾液腺を刺激するのは「噛む」という筋肉の動きです。 柔らかいものばかり食べたり、食事の時間が短かったりすると、口周りの筋肉(咀嚼筋)が衰え、脳に「唾液を出せ!」という指令が届きにくくなります。
⑤ 全身疾患のサイン
特定の病気が原因で唾液が出にくくなることもあります。
糖尿病: 多尿による脱水症状から口が乾きやすくなります。
シェーグレン症候群: 涙や唾液を作る腺が攻撃される自己免疫疾患です。
腎不全や肝硬変など

4. 今日からできる!「唾液力」をアップさせる習慣
「最近、口が乾きやすいな」と感じる方や、いつまでも若々しいお口を保ちたい方へ。唾液の分泌を促す簡単な方法をご紹介します。
① こまめな水分補給
唾液の原料は血液(水分)です。体が脱水状態だと、当然唾液も出にくくなります。一度に大量に飲むのではなく、コップ1杯の水をこまめに飲む習慣をつけましょう。
② よく噛んで食べる
「噛む」という刺激が脳に伝わると、唾液腺からドバッと唾液が出ます。現代人は噛む回数が減っていると言われています。一口30回を目指して、意識的に噛み応えのある食材を選んでみてください。
③ 「唾液腺マッサージ」の実践
お口の周りには、大きな唾液の工場が3つあります。ここを優しくマッサージするだけで、じわっと唾液が出てくるのがわかります。
耳下腺(じかせん): 耳の前、頬のあたりを後ろから前へ回すように。
顎下腺(がっかせん): 顎の骨の内側の柔らかい部分を指先で押す。
舌下腺(ぜっかせん): 顎の先、ベロの付け根の真下を押し上げる。
テレビを見ながら、お風呂に入りながらの「ながらマッサージ」で十分効果があります!

5. あなたの唾液は「良い仕事」をしてる?
ここまで読んで、「私の唾液はどうなんだろう?」と気になった方も多いはずです。 実は、唾液は量だけでなく「質(成分)」も人によって全く違います。
当院では、短時間でお口の環境を数値化できる「シルハ(Sill-Ha)」という唾液検査を導入しています。
たった10秒間、専用の液でお口をゆすぐだけで、
虫歯菌の活動量
酸に対する抵抗力
歯ぐきの炎症状態
口臭のレベル などがグラフでパッとわかります。
「自分は虫歯になりやすいタイプなのか?」「ケアのどこに重点を置くべきか?」が科学的に判明するので、予防歯科の第一歩として非常におすすめです。この「シルハ」については、また今後のブログで詳しくお話ししますね!
唾液はあなたを守る最強のパートナー
今日のブログで唾液の大切さがお分かりいただけたのではないでしょうか。ご自身の唾液が愛おしくなりましたか?唾液は、私たちが生まれてから最期を迎えるまで、片時も休まずにお口を、そして命を守り続けてくれる健気な存在です。感謝!!
滑川市の歯科ミントクリニックでは、単に「歯を治す」だけでなく、こうした「唾液のちから」を最大限に引き出すためのアドバイスやケアを大切にしています。
最近、お口の渇きが気になる方や、自分の口腔環境を詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。 私たちと一緒に、潤いのある健康な毎日を作っていきましょう!

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歯科ミントクリニック 院長 竹島健太郎
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